よく聞く「ネット風評被害」一体どんなもの?
「風評」とは、辞書の上では「良くないうわさ」という意味であるとされており、「真実ではない」というニュアンスで使われるのが正確なところです。
例えば、最近の記憶に新しいものとして福島第一原子力発電事故が挙げられるでしょう。
「福島に行くと放射線被ばくする」などという「風評=根拠のないうわさ」によって、救援物資が届かなくなったり、消費者が福島産の農作物を敬遠したりしたことが、「風評被害」です。
しかし、「ネット風評被害対策」においては必ずしも「根も葉もないうわさ」に限った意味合いではないようです。
例えば、「過去に起きてしまった事件や事故、不祥事などがいつまでも人々の目に留まり続けること(つまり、内容自体は事実)」についての対策である場合も少なくありません。
例えば、「ブラック企業」と批判されている会社があるとします。
ネット風評被害対策で最もよく聞かれるキーワードの一つです。その会社が、100%ブラックではなかった、全く事実無根の誹謗中傷だ、というケースは少ないのではないでしょうか。
程度の差こそあれ、労働環境がよくない状態があったものと思われます。
労働基準法では、サブロク協定を結んだとしても1か月で許される残業時間の上限は45時間です。
私の所属していた会社は、「ブラック」と揶揄されることを「風評被害」と称していましたが、事実、私の残業時間が140時間を超えていたこともありました。また、web上に公開されている情報の中には、真実もありました。
よって、一言に「風評被害」と言っても、以下のように分類されるのではないでしょうか。
- ある企業が、根も葉もない誹謗中傷をされること
- ある企業について、若干の誇張や悪意を感じる表現でwebサイト上に情報が投稿されること
- ある企業において起きた事件・事故・不祥事がwebサイト上で紹介されること
- ある個人が、根も葉もない誹謗中傷をされること
- ある個人について、若干の誇張や悪意を感じる表現でwebサイト上に情報が投稿されること
- ある個人が起こした事件・事故・不祥事がwebサイト上で紹介されること
上記はそれぞれ、対策方法や解決の困難度が異なってきます。