犯人は見つけられる!?
先ほど説明した「プロバイダ責任法」により、権利を侵害されていると認められた場合、コンテンツプロバイダ(webサイトの管理人)は書き込みがされたIPアドレスを開示する義務があります。そして、インターネットサービスプロバイダはそのIPアドレスをもとに、加害者を特定します。
ただし、あくまで書き込みがなされた端末からしか加害者は特定できないので、漫画喫茶など不特定多数が使用する端末からの書き込みであれば加害者の特定は困難を極めますし、また、匿名化技術を使用したサーバを利用している場合はIPアドレスを特定することができません。
IPアドレスの開示を求めるためには、なぜその書き込みが自分の権利を侵害されているかを論理的に主張する必要があります。
準備としては、その書き込みが何らかの理由で見られなくなったりしないようにスクリーンショットなどで書き込みがあるwebサイトを画像で保存しておきましょう。
そしてその画像を添えて、権利が侵害されていることを主張しましょう。コンテンツプロバイダにIPアドレスの開示を求める際には、テレコムサービス協会が作成している「発信者情報開示請求書」の書式を利用するのが良いでしょう。
(なお、テレコムサービス協会では、書き込みの削除依頼の際に利用できる「送信防止措置依頼書」の書式も提供しています。)
また、インターネットサービスプロバイダはログを3か月間程度しか保存していない場合が多いので、加害者の特定を求める場合には、インターネットサービスプロバイダに対してログの保存を請求しましょう。
IPアドレスおよびログによって、加害者が誰であるかインターネットサービスプロバイダが特定できたとしても、その情報は個人情報であるため、簡単には被害者のところにはわたりません。
もし被害者が加害者の実名を知りたいということになれば、裁判を起こさなければなりません。裁判は、インターネットサービスプロバイダの所在地である地方裁判所で行われることになります。